暇人クオの形だけのブログ

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【ポケモン】一撃必殺技しか存在しない世界線における環境考察


今回は暇つぶし(?)に一撃必殺6350シングルの環境考察を行っていきます。
※以下、別の世界線の出来事が多く含まれますが、あくまで別世界線であり、この世界線の出来事とは関係ないことに留意してください。

ルール

  • 今回は提案時期であるUSUMのシングルバトルを想定。
    • とはいえ、剣盾に有力なポケモンはいないためあまり環境は変わらないと思われる。(というか剣と盾って結局何のことだったんでしょうね。*1 )
  • ポケモンに覚えさせてよい技は以下の4種類とする。
  • 過去作限定技やVC版限定技はありとする。
  • Z技は一撃必殺技が出ないためなしとする。
    • 8世代で対戦する場合はダイマックスも同様の理由から禁止とする。
  • 技「わるあがき」は使用可能とする。
  • その他は読者の皆様の世界線のルールと同様。

基礎知識

使い勝手が最悪な「わるあがき」以外の威力の設定された攻撃技や、「変化技」なるよく分からない技も使える世界線の皆様のために、予備知識として6世代までの環境をご紹介します。

従来は「型破り」一強

6世代まではオノノクスカイロスの型破りハサミギロチンを受けられるポケモンが存在せず、事実上特性型破りのポケモン同士で一撃必殺技を撃ち合うゲームでした。
データ上は「ゴーストタイプ」とかいうノーマルタイプの技を無効化できるタイプが初代から存在したようですが、何故か6世代経過してもそのタイプを持つポケモンが全く登場しなかったため、怪談好きの社員が悪ふざけで入れた没データ説が有力視されていました。

一応対抗馬はいたものの……

そのギロチンを枯らすために特性プレッシャーのポケモンにタスキを持たせて戦う人もいたようですが、ヒメリ持ちの特性頑丈のポケモンを投げて誤魔化す人や型破りポケモンの数でゴリ押しする人の方が多く、受け構築の割には事故率が高かったため流行らなかったようです。

初期環境

受けループ(ガラフリ頑丈)


7世代では初代のVC版からカラカラを輸送することで地割れを習得したアローラガラガラを育てることが可能となりました。実はゴーストタイプ初の一撃必殺技持ちです。型破りのポケモン絶対零度使いが存在しなかったため、ふうせんを持たせることで型破りのポケモンが使う一撃必殺技を完封でき、型破りのポケモンへの明確な回答となりました。これを活かした受け構築が提案され、環境トップだったはずの特性型破りのポケモンは肩身の狭い思いをすることになります。

ガラガラ対策としてメガカイロスが考えられたものの、受け自体はガラガラと頑丈で完結していることからメガシンカするまでフリーザーで様子見するケース、見切り発車で頑丈を投げるケースの両方が混在したためカイロス側のメガシンカのタイミングが難しい上に読み勝っても30%でしか突破できないことからミラーの方が勝率が高くなる有様でした。

型破り以外のポケモンは頑丈、型破りは風船ガラガラでそれぞれ完封する構築は付け入る隙がなく、マイナー使いの対戦離れの原因となりました。

理論上全てのポケモンを受けられる構築が誕生したことで環境がこれ一色になると思われましたが、20年以上続いただけあり、ポケモンのレパートリーは広いのです。この構築に対しても、欠陥を突いたメタ構築が提案されます。

カバ頑丈頑丈


ガラガラとフリーザーに砂ダメが入るため、カバルドンを先発に出し、その後頑丈のポケモンを延々と交代させることで判定勝ちを狙う構築が考案されました。頑丈枠には同型に判定負けしないよう、HP種族値の高いドンファンゴローニャが採用されました。

この構築が流行すると、更にそれを対策した構築が登場します。

頑丈頑丈ホエルオー

  • ドンファン@ゴツメ(がんじょう)腕白HB じわれ
  • ゴローニャ@ヒメリ(がんじょう)腕白HB じわれ
  • ホエルオー@たべのこし(プレッシャー)腕白HB じわれ

HP種族値トップのホエルオーを入れて最初からHP満タン同士の判定勝ちだけを狙う構築が登場、対戦環境がTOD一色となってしまいます。この頃になると「1時間かかるコイントス」と揶揄されるようになり、型破りポケモンを失権させた風船ガラガラの禁止運動が見られました。

ホエルカビドンファン

  • ホエルオー@たべのこし(プレッシャー)腕白HB じわれ
  • カビゴン@ヒメリ(自由)腕白HB じわれ
  • ドンファン@ゴツメ(がんじょう)腕白HB じわれ

頑丈頑丈構築は積極的には殴ってこないことを逆手に取った判定勝ち狙いだけを考えた構築が考案されました。ようやく読み合いらしい読み合いが出来るようになりましたが、結局試合時間は長引いていました。

転換期

型破りポケモンを用いた風船ガラガラ対策研究

受けに疲れた人を中心に、TODに頼らない勝ち筋の研究が進められます。型破りが頑丈に有効であることには変わりなかったため、何とかしてガラガラを型破りポケモンで突破できないか研究が行われ、特性型破りのポケモンで唯一、一撃必殺技を2種類覚えるドリュウズだけはじわれしか覚えないガラガラのPPを枯らすことが可能であることが分かってきました。ただ、8回もじわれを避けることは容易ではない……はずでした。

見つかった答え

技「じわれ」は唯一、アイテムによる対策が可能な一撃必殺技です。そう、型破りドリュウズにふうせんを持たせることで確実に風船ガラガラを返り討ちにすることが可能であることが判明したのです。更には環境にいる特性頑丈のポケモンのほとんどが「じわれ」しか覚えられないため、風船ドリュウズ1体で詰む構築がほとんどで、ほぼ全プレイヤーが構築の見直しを迫られることになります。

頑丈ポケモンのトレンドの変化

これまでHP種族値や物理耐久指数を重要視して採用が行われてきた特性頑丈のポケモンですが、アイテム「ふうせん」自体の強さが広まるにつれ、ふうせん持ちに抵抗できることが重要視されるようになりました。実は特性頑丈のポケモンはほぼ全員「じわれ」しか覚えないのですが、1体だけ「つのドリル」を覚えるポケモンが存在します。チゴラスです。これまでもノーマルタイプの一撃必殺技しか通らないフリーザーへの対策として起用する人はいましたが、この時期からは風船ドリュウズへの勝ち筋を残すためにも全ての特性頑丈のポケモンの中でも最優先で採用されるようになります。

現在

構築例

現在ではガラフリ頑丈の並びで有象無象の構築を対策しつつ受け構築をドリュウズで見るグッドスタッフ的な構築が主流になりました。ドリュウズを通すための手段は各トレーナーの個性が出る部分になっています。

終わりに

一撃必殺シングルと聞いて短絡的な人はスカーフオノノクスやタスキオノノクスを持ち込むでしょうが、それが通用する時代は終焉を迎えました。このルールで対戦してオノノクスを繰り出す時代遅れなトレーナーを見かけたらすかさずガラガラを後出ししてドヤァしましょう。ここまで読んだ皆さんは既にオノノクスを採用する人の2周先にいます。もうお気づきの通り、この環境において、研究量の劣る者は運ゲーする権利すらないのです。それを思い知らせてやりましょう。

ちなみに筆者はこのルールで対戦できる準備はしていません。他をあたってください。

余談

冒頭のツイートはアンケートの結果「しりとりシングル」が選ばれたので実際に開催されることはありませんでした。中途半端に考察が進んだ段階では1時間耐久コイントスが始まるので、これで良かったのではないでしょうか。

*1:読者の世界線ではザシアン、ザマゼンタのことだが、一撃必殺技しか存在しない世界線ではこれらのポケモンが存在しない。もっとも、一撃必殺技しか存在しない世界線ではGBA以降、ルビー/サファイアとそのリメイク作品以外パッケージにポケモンは描かれていないため、もはや騒ぎになることすらない。

*2:VC版限定のため隠れ特性固定

*3:ポイヒで悪あがきの反動を回復しつつ負担をかける狙い。反動が大きすぎるので一度使ったら数ターンはサイクルを回す。

*4:メガ型と通常型が混在。通常型もメガシンカするブラフでガラガラを引かせることが重要なため、ふうせんやヒメリ、たべのこし、タスキ等、容易に発動するアイテムは持たせないことが多い。

*5:特性再生力。悪あがきに投げて引くことで被ダメをほぼなくせる他、自らも悪あがきで反撃できる。

*6:カバ頑丈頑丈のカバを捉えて地割れで倒し、残ポケ数で勝利するダグ頑丈頑丈が一時期見られたが、頑丈を先に出すだけで対処できたため初見殺しに過ぎなかった。ただ、ホエルカビドンファンには有効なため、頑丈頑丈ホエルオーが牽制のため採用するケースはあった。HP種族値で勝るナックラーでも良いが大差ないためSが高いこちらが好まれる。